三焦鍼法とは


■中国の天津中医薬大学の韓景献教授チームが、認知症の患者に対して開発した鍼によるの治療手法です。

対象となった患者さんは、通常の西洋治療では改善が見込めず、漢方薬を処方しても効果が無かったタイプの認知症です。それ対して、最終的に鍼を用いたところ、有意な効果があった、と言う報告でした。

認知症の判定には「MMSE」(Mini-Mental State Examination=認知機能検査)が用いられました。

以下「KUMON」のサイトからの引用です


認知機能検査MMSEで質問される項目

満点は30点。総合得点が21点以下の場合は、認知症などの認知障害がある可能性が高いと判断されます。

口頭で
「今日は何日ですか」「今年は何年ですか」
「今の季節は何ですか」「今日は何曜日ですか」
「今日は何月ですか」質問する。

「ここは何県ですか」「ここは何市ですか」
「ここはどこですか」「ここは何階ですか」
「ここは何地方ですか」の質問をします。

3つの言葉を言い、その後、被験者に繰り返し言ってもらう。

100から順に7を繰り返し引いてもらう(5回)。

3)で提示した3つの言葉を再度言ってもらう。

時計を見せながら「これは何ですか?」、
鉛筆を見せながら「これは何ですか?」と聞く。

次の文章を反復させる。
「みんなで力を合わせて綱を引きます」

何も書いていない紙を渡し、「右手にこの紙を持ってください」「それを半分に折りたたんでください」「それを私にください」といっぺんに指示をして、そのとおりにしてもらう。

「目を閉じてください」と書いたものを見せて、指示に従わせる。

何も書かれていない紙を渡して、「何か文章を書いてください」と指示をする。

重なった2個の五角形を見せて、それを模写させる。

認知機能検査MMSEの結果判定

前述の11の設問はさまざまな認知能力と記憶力を見ているものと考えられます。MMSEの総合得点によって、

27~30点・・・正常値
22~26点・・・軽度認知障害の疑いがある
21点以下・・・認知症などの認知障害がある可能性が高い
と判定されます。

健常者が21点以下を取ることはきわめてまれであるとされています。

日本での展開


日本には2009年の10月にTVにて『認知症に東洋医学が挑む』と言うタイトルでNHKスペシャルの中で紹介されました。

韓先生も来日され、中医学研究所の兵頭明所長もパネリストで鍼灸の解説者役で出演されました。

ただし、TVではNHKサイドから「東洋医学関連の専門用語はツボの名前以外一切使わないこと」と言うルールにのっとった台本を渡され、中医研所長の兵頭明先生も、ほとんど(東洋医学的に)意味のある発言が封じ込められておりました。もう暴露してもいいでしょう^^;) 

現在


 社団法人老人病研究会が推奨している、認知症ケア鍼灸【Gold-QPD】(ゴールド・キューピッド)事業にて学べます。
(不定期で認定講座を開講しています)

※ 講座について(→▼外部リンク

 東洋医学的な意味


■三焦鍼法は弁病論治なので、基本的には患者さん個々の病態の差異にかかわらず、以下のとおりの配穴と手技をします。

醒脳開竅法と違って、特に熟練度を要する鍼ではありません。ただし、認知症の方に施術するのには熟練を要します

【 配穴と手技】


「益気調血、扶本培元」鍼法

1.膻中(上焦) 横刺、15mm、捻転補・呼吸補

2.中脘(中焦) 直刺、60mm、捻転補・呼吸補

3.気海(下焦) 直刺、45mm、捻転補

4.両 外関(三焦) 直刺、15mm、平補平瀉

5.両 足三里(気) 直刺、15-30mm、捻転補

6.両 血海(血) 直刺15-30mm、平補平瀉

【効果】について


■中国から導入された鍼術を用いて、「G-QPD」の鍼師が各施設で治療を実施するようになり、5年ほど経ちました。

現在のところ、社団法人老人病研究会では「認知症が特定の鍼術で治癒するとは言えない」と言う結論を、前述の兵頭先生より聞いております。

ただし、日常生活の改善や、疲労・便秘・不眠・腰痛・頭痛・消化不良・・・などの不定愁訴に対しては、【通常の鍼治療】の範囲内で効果はあります

つまり、三焦鍼法も普通の鍼灸なのです。
特別なものではありませんよ、と言うことをご理解ください。

料金


■認知症に対する鍼灸治療は保険の適用範囲外となります。(自費診療)

当鍼灸院では三焦針法は金曜・土曜に受療できます。(基本的に75歳以上対象)