一限目 毫鍼と補瀉手技について。

【切皮】

・毫鍼を針管に入れ、指で弾き切皮することを「管針法の弾入・切皮」と言います。

・鍼管を使わずに切皮することを「撚針法」と言います。

・管針法は捻鍼に比べ、切皮痛が生じ難いので、簡単です。

・撚針法は管針法に比べ、高度な技術力が要求されます。

・より正確に刺入したい場合や押手を作れない肢位での施術は撚針法を用い、敏感な人に対して切皮痛を避ける場合や初心者の場合は管針法がよいでしょう。どちらもスムーズに行えることが理想です。

・鍼管を用いてもなお切皮痛がある場合は、たいてい押手の構え方に問題があります。しっかりと針管を把持して、残る指と小魚際は密着し、針管が弾入時に動揺しないようにすることがコツです。また、針管をまっすぐに叩けているのか、よく確かめながら練習しましょう。斜に鍼柄の頭を掠るように叩いてしまうと、針管の中で針が踊って切皮痛が生じます。

・切皮痛は、「響き」や「得気」とは明確に違います。皮膚を抓られた様な痛みが生じて、しばらくしても痛みが止まりません。これは、中途半端な切皮によって、皮膚が引き延ばされているために起こります。

・管針法で切皮痛を避けるためには、瞬間的な力とスビードで鍼頭を叩き、素早く鍼頭から指を離すこと、です。「ダルマ落とし」と言う遊びのおもちゃがありますが、上手にダルマを崩さずに中の積み木を抜くためには、インパクトの瞬間に素早く手首を反対側に引き、ハンマーと積み木の接触時間をより少なくさせることがコツです。

・弾入するときに「3回に分けて叩け」と言う指導を受けることがあります。これは、銀針の1番など極めて細く曲がりやすい素材の鍼を用いた時に、皮膚が硬いところにエイヤッと一回で切皮しようとすると、失敗して先端部分が折れ曲がってしまうことがあるためです。特に銀針の場合は鍼と針管は別々のメーカーの物を使うことが多いので、針管から出た部分の鍼頭の長さに違いが出てしまうと言う理由もあります。

・むしろ太い針の場合は、一気に切皮してあげないとチクチクと痛みます。

・管針法で切皮痛がなかなかなくならない人は、まずは厚紙など簡単に切皮できない素材で、ひたすら針管を構えて鍼頭を叩くと言う練習方法で、自分の指がどのように動いているのか、が無意識になるまで動きを脳に叩き込むとよいでしょう。これも惰性のように延々と長時間したり、タイムトライアルのように短時間に何回出来るか、のような非意識的な練習ではなく、意識的な練習を行い、フィードバックすることで、所作が洗練されて、最終的に無意識に行えるようになることが理想です。